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有形固定資産の売却

有形固定資産の売却

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固定資産を売却するときにどういう仕訳を行っていくか、4つのパターンに分類して処理の方法を解説していきます。最後には問題を解いてもらって理解しているか確認します。

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まず前提として、
固定資産の売却には前ページの
減価償却を知っている必要があるので、
減価償却をよくわかっていない人は
理解してからこのページを見て下さい。



固定資産を売却するときは
4つのパターンがあります。


新品を売った場合
1.買った値段よりも高く売れた場合
2.買った値段よりも安く売れた場合


中古(経年劣化)を売った場合
3.経年劣化も加味した現在の値段よりも高く売れた場合
4.経年劣化も加味した現在の値段よりも安く売れた場合



まず経年劣化が無い新品の固定資産の売却をした場合について解説します。
新品を売る場合の仕訳は簡単です。


1.買った値段よりも高く売れた場合
機械200,000を買ったが、
事情があって、ほぼ新品で売りました。

買い手が見つかり300,000円の現金で買い取ってくれました。

この場合の仕訳は
機械という資産200,000のマイナス、
現金という資産300,000のプラス、
その差額が収益となるので、

現金  300,000/機械  200,000
        /固定資産売却益 100,000

という仕訳になります。
収益項目の「固定資産売却益」という勘定使うので覚えておいて下さい。
逆に次は損が出てしまう場合はお分かりの通り、
「固定資産売却損」という費用項目の勘定を使用します。



2.買った値段よりも安く売れた場合
機械200,000を買ったが、
事情があって、ほぼ新品で売りました。

買い手が見つかり100,000円の現金で買い取ってくれました。

この場合の仕訳は

現金      100,000/機械  200,000
固定資産売却損100,000

という仕訳になります。
20万で買った機械を10万円で手放したので、
10万円のの費用が発生したというわけです。


経年劣化が無い状態で固定資産を売買するのはまれなことなので、実際の仕事で出るとしたら次の経年劣化がある場合の売買の話になると思います。
(もちろん土地は経年劣化が無いので1か2のパターンに必ずなりますが)



3.経年劣化も加味した現在の値段よりも高く売れた場合
取得原価2,000,000円の車で
耐用年数10年、残存価額200,000円のもので、

取得してからちょうど8年経った時に、
新しい車に買いかえるために中古車の店に
600,000円で売却した。

この場合の仕訳は
まず8年経った状態での現在の車の適正な価格をもとめないといけません。

すなわち、
取得原価-減価償却累計額=現在の適正な価格
になります。

8年ぴったりたった時点では、
(取得原価2,000,000-残存価額200,000)÷10年
=1年あたりの減価償却費180,000円

毎年、決算の時に
減価償却費180,000/減価償却累計額180,000
の仕訳を計上しているので、
8年目では、累計額は
180,000×8年=1,440,000

8年目では1,440,000が累計で減価しています。

なので、
取得原価2,000,000-累計額1,440,000=
560,000円

8年目の車の適正な価格は560,000円になりました。

これを600,000円を買い取ってくれるというので、
40,000円の収益が発生します。


理論上は上のようになりますが、
それを仕訳にすると以下のようになります。

減価償却累計額1,440,000/車両運搬具2,000,000
現金     600,000/固定資産売却益 40,000

まずは資産である車のマイナス2,000,000と
それにセットでついてくる資産のマイナス項目(性質は資産項目と同じく借方でプラス、貸方でマイナス)の
減価償却累計額1,440,000を取り消します。

その次に現金600,000を受け取ったので、
借方に現金600,000を書いてあげると、
その3つの貸借差が固定資産売却益になります。




4.経年劣化も加味した現在の値段よりも安く売れた場合
取得原価2,000,000円の車で
耐用年数10年、残存価額200,000円のもので、

取得してからちょうど8年経った時に、
新しい車に買いかえるために中古車の店に
400,000円で売却した。

さっきと全く同じパターンですが、
売却の金額が20万円減って、40万円になっています。

仕訳をすると、
減価償却累計額1,440,000/車両運搬具2,000,000
現金      400,000/
固定資産売却損160,000/

このような感じになります。
やり方は同じでまずは車の資産の減少と
積みあがった減価償却累計額の取り消しの金額を書きます。
次に現金の金額を書くと貸借差が自然と損になるのか益になるのか出てきます。

理論的には
車の現在の適正な価格560,000に対して、
現金400,000で売却したので
160,000円の固定資産売却損が出るということです。




問題
次の仕訳をしなさい。
(出来れば紙に仕訳を書きだして下さい)

問1
30年くらい保有しようとしていた土地5,000,000を
15年目保有したあと2,500,000で売却した。
代金は金額が大きいので小切手で受け取った


問2
大型コンピューター(勘定科目は機械)を600,000円で購入した。購入時に手数料が100,000円かかった。
機械の耐用年数は10年、残存価額は50,000円。
使用から8年後にそろそろ新しいのに買いかえるために大型コンピューターを売却することにした。
専門的な機械なので中々買い手が見つからなくて売らずに捨てようとも考えたが30,000円で買い取ってくれる人が現れて売却出来た。








解答1
土地の経年劣化は無いので、減価償却について考える必要は無く、以下の仕訳になります。

現金     2,500,000/土地5,000,000
固定資産売却損2,500,000/



解答2
購入代価600,000+付随費用100,000
=取得原価700,000

(700,000-残存価額50,000)÷耐用年数10年
=毎年の償却額65,000円

8年経過しているので減価償却累計額は520,000円。


減価償却累計額520,000/機械 700,000
現金     30,000/
固定資産売却損150,000/


通常であれば、基本的に損が出ることの方が多いでしょう。
さらに売却できずに捨てる場合もあります。
捨てることを簿記上では「除却(じょきゃく)」と言います。
すなわち捨てた時の損は「固定資産除却損」という費用項目の勘定科目を使います。
捨てるということは必ず損になりますので、
「固定資産除却
」という勘定科目は存在しません。



問2の場合でいきますと、現金30,000円部分が無くなるだけですので、

減価償却累計額520,000/機械 700,000
固定資産
除却損180,000/

という仕訳になります。
実際の仕事でも除却することはよくあることなので、
覚えておいて下さい。

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その他、有形固定資産の処理は
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